放射線

私たちは、常に宇宙線などいろいろな種類の放射線に
取り囲まれています。
 代表的な放射線としてはアルファ(α)線、ベータ
(β)線、ガンマ(γ)線などがあり、胸や胃のレン
トゲン検査に使うエックス(X)線もそのひとつです。
 放射線は、エネルギーを持った電磁波や粒子の流れ
で、物質をつき抜ける性質があります。 放射線が人
体にあたり、その量が多くなれば人体に何らかの影響
を与えます。
 岡山県は人形峠環境技術センター周辺の人々の健康
を保護し環境を保全するため、人形峠環境技術セン
ター開設以来、アルファ線、ベータ線、ガンマ線など
の放射線を様々な角度から測定し、監視しています。

ふっ素

 ふっ素(F)は、原子番号が9の元素で、塩素
(Cl)や臭素(Br)と同様、他の元素と非常に激しく
反応しますが、いったん化合物を作ると安定します。
 私たちの日常生活にも非常に関係の深い物質で、ア
イロンやフライパンに採用されているテフロン加工な
どに使われています。
 人形峠環境技術センターでは、六フッ化ウランを取
り扱っていますが、六フッ化ウランが漏洩した場合、
大気中の水分と反応して、人体に有害なフッ化水素が
発生します。そのため、岡山県では連続測定によりフ
ッ化水素を測定し、監視しています。

放射線などの単位

ベクレル(Bq)
 放射能(原子核が壊れて放射線を放出する能力)の強さの単
位で放射性物質の含有量を表す場合にも使われます。 1秒間に
1個の原子核が崩壊するときの放射能の強さを1ベクレル
(Bq)といいます。

グレイ(Gy)
 放射線の吸収線量の単位です。空間の放射線の量を表すため
に、空気が電離され吸収されたエネルギーをもとにして求めら
れます。

シーベルト(Sv)
 体の外から放射線を受けたり、食物などを通して体内に入っ
た放射性物質によって内部被ばくを受けたりするときの、人体
への影響の度合いを示す単位です。
 この度合いは、放射線の種類や人体の組織によって変わりま
す。それを考慮して、放射線が人体に及ぼす影響をはかるもの
さしがシーベルト(Sv)という単位です。

値が小さい場合、次の記号を単位につけて表します。
ミ  リ(m)
:10-3(1000分の1)
マイクロ(μ)
:10-6(100万分の1)
ナ  ノ(n)
:10-9(10億分の1)
ピ  コ(p)
:10-12(1兆分の1)
放射性物質、放射能

 自然界には、様々な種類の放射性物質があり、多か
れ少なかれ、放射線を出しています。この放射線を出
す能力を放射能といいます。 時には、放射性物質の
ことを放射能ということもあります。
 例えば、ウラン(U)やラジウム(Ra)は水や岩
石の中に含まれていますし、ラドン(Rn)は大気中
にも存在します。
 このような放射性物質が、ウラン開発によって環境
に放出され、私たちの暮らしに影響があってはいけま
せん。 そのため岡山県では人形峠環境技術センター
周辺環境におけるウラン、ラジウム等の濃度を測定し、
監視しています。

ウラン

 ウラン(U)は、原子番号が92の元素で、原子力
発電所で使用する核燃料に使われています。
 地球が誕生したときから存在し、現在まで残り続け
ており、実は身の回りの普通の土に少しだけ含まれて
います。
 岡山県では、ウランを取り扱う人形峠環境技術セン
ター周辺の河川水や土壌などをサンプリング測定で監
視しています。